■2012/5/15
BSA違法コピー番付、日本のコンピュータ利用者39%が
違法コピーソフトを入手と回答
〜 2011年における違法コピー損害額は1,500億円 〜

ビジネス ソフトウェア アライアンス(本部:米国ワシントンDC、会長:ロバート W. ハリマン II、以下BSA)は本日、世界のソフトウェアの違法コピーによる損害状況をまとめた「BSA世界ソフトウェア違法コピー調査2011」(略称、 違法コピー番付)を発表しました。調査結果では、「いつも」「ほぼいつも」との回答は一部だったものの、利用者の3人にひとりは「ときどき」或いは「まれに」違法コピーをすると回答するなど、日本のコンピュータ利用者のうち違法コピーソフトを取得した利用者が39%であったことが明らかになりました。

今年で9回目となる違法コピー番付の「違法コピー率部門」は、日本は昨年から順位を2つ下げ世界第3位の21%という結果でした。これは利用者がインストールしたプログラムの5つにひとつがライセンス違反であったことを示すもので、経済的損失は18.75億USドル(約1,500億円* )にのぼります。

今回の結果を受け、BSA日本担当共同事務局長の竹下千恵は、「もし消費者の39%がソフトウェアを万引きすると予告すれば、実行されるか否かに関わらず、当局は警察によるパトロールや罰則の強化によって対応するでしょう。ソフトウェアの違法コピーについても、これと同様の対応が求められているのです。組織的な教育や法律の厳格な適用が必要です」と述べています。

日本の調査結果では、違法コピーを行っている人のうち14%が、「いつも」「ほぼいつも」或いは「ときどき」ソフトウェアを不正に入手していると回答し、「まれに」行なっていると回答したのは25%でした。性別では男性が52%を占め、世代別では18歳から44歳が全体の69%を占めることが明らかになりました。

BSAの会長兼CEOであるロバート W. ハリマン IIは、「ソフトウェアの違法コピーはグローバル経済、IT革命、雇用創出において損失を与え続けています。各国政府は知的財産関連法を最新の内容に改正および施行することで、違法コピーに対して相応の処罰強化が適用されるようにすべきです」と述べています。

「違法コピー番付」ページ(日本語)

www.bsa.or.jp/GlobalSoftwarePiracyStudy.html

「自己申告調査結果」(Public Opinion Survey)ページ(日本語)

portal.bsa.org/globalpiracy2011/downloads/opinionsurvey/survey_japan_jp.pdf

今回の調査結果の世界的な傾向としては、成熟市場より新興市場の違法コピー率が高いことが挙げられ、その平均値は68%対24%と大きく乖離していることが分かりました。近年、世界のソフトウェア違法コピー率が42%を前後する中、世界の損害額は2011年には634.56億USドル(約5 兆745億円* )にまで増大しています。その起因として、徐々に拡大してきた新興市場における損害額の増加傾向が挙げられます。

2011年の世界違法コピー番付では、次のような結果も明らかになりました。

  • 世界的な傾向として、ソフトウェアの違法コピーを頻繁に行っているのは、若年層の男性に偏っています。またその比率は、新興市場が成熟市場の2倍以上 (38%対15%)になりました。
  • 企業の意思決定者は、他の利用者よりもソフトウェアの違法コピーを頻繁に行っています。1台のパソコン用にソフトウェアを購入し、オフィス内の他のパソコンにもインストールしている率も、意思決定者が他の利用者の2倍以上になりました。
  • 世界的に見れば、知的財産権は原則として強固に保護されていますが、違法コピーを行う者の行動を実際に変えるだけの誘引が決定的に欠けています。違法コピー常習者のうち、違法コピーを控える理由として逮捕のリスクを挙げた者は、成熟市場では20%、新興市場では15%にすぎませんでした。

インターナショナルデーターコーポレイション(IDC) アジア太平洋地域コンサルティング・オペレーションズ バイスプレジデントのビクター・リム氏は、「企業内におけるソフトウェアのライセンス違反は、依然として最大の違法コピーの要因です。これらは企業内のIT部門やエコシステムに止まらず、当該地域の市場競争にも悪影響を及ぼします。正しくビジネスを行う者の利益を守り公正な競争を確保するためには、政府が地域全体で教育のみならず法的措置も含めた強力な対策が極めて重要です」と述べています。



  • *1 為替レート:1USドル= 79.97円(「財務省貿易統計」の2011年平均レートを適用)

BSA世界ソフトウェア違法コピー調査 (略称、違法コピー番付)

BSA世界ソフトウェア違法コピー調査 (BSA Global Software Piracy Study) は、IDCおよびIpsos Public Affairsが協同で調査を行いBSAが毎年発表しているもので、今回で9回目を数えます。本年度の調査では、全世界のPC市場の82%を占める、33か国15,000人のコンピュータユーザーに対する調査を実施しました。調査手法としては、182の不連続データを収集し、116の市場におけるPCとソフトウェアの動向を評価する方法をとっています。IDCとIpsos Public Affairsは、世界有数の独立系調査会社です。
日本固有のデータを含む『2011 BSA Global Software Piracy Study』の完全版は、BSAのWebサイトwww.bsa.org/globalstudyからダウンロードできます。

組織内の不正コピーについて

企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における不正コピーのことを指しています。現在日本でもっとも多く見られるソフトウェアの不正コピー形態でもあります。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当します。

BSAについて

ビジネス ソフトウェア アライアンス (BSA) は、ソフトウェア市場の成長とイノベーションのための環境整備を目的に、世界80ヶ国で活動している世界最大のソフトウェア業界団体です。今日、ソフトウェアは、世界中の国の経済および社会的発展を推進する上で必要不可欠であり、各国政府およびパートナー企業は、ソフトウェアに関する重要な政策・法的問題についてBSAの専門的な意見に関心を寄せています。BSAメンバー企業は、地域経済、より良い雇用の創出、さらに世界中の人々の生産性向上、つながり、安全に役立つ次世代型ソリューション実現に向け、毎年数十億ドルの投資を行っています。BSAのメンバーには、アドビ システムズ、アジレント・テクノロジー、アンシス、アップル、Aquafold、ARM、オートデスク、ベントレー・システムズ、CNC/Mastercam、ダッソー・システムズ・ソリッドワークス・コーポレーション、メンター・グラフィックス、マイクロソフト、Minitab、オルボテック、ピツニーボウズ、Progress Software、Quest Software、ロゼッタストーン、シーメンスPLMソフトウェア、サイベース、シマンテック、テクラおよび The MathWorksが加盟し、活動を行っています。詳しくは、BSA日本のウェブサイトwww.bsa.or.jp、または、BSA米国本部のウェブサイトwww.bsa.org/usa(英語)をご覧ください。