大学支援プロジェクト
第2回_「違法コピー」を防止する「自主調査」
 
皆さん、こんにちは。ドクターSAM (サム)です。
今回もご覧いただき、ありがとうございます。

さて第1回目では、そもそも「違法コピー」とは何か、またその「経営リスク」がいかに甚大であるかについてお話しました。 そして、こうした違法コピーを未然に防止するための決め手が「自主調査」であることもご説明しました。

第2回目では、この「自主調査」に焦点を絞り、実際の作業手順を詳しくご紹介します。何よりも自社の現状を正しく把握することが、 違法コピーをなくす重要な第一歩なのです。

では、始めましょう。

Part1 事前準備/会社の規模・組織風土などを考慮し、以下の事項を決定します。
Part2 正規に購入取得したライセンス総数の把握/「ライセンス管理台帳」を確実に作成し、更新することが重要です。
Part3 実際にインストールされているソフトウェアの総数の把握/「インストール管理台帳」に、モレなく記入します。
Part4 「ライセンス総数」と「ソフトウェア総数」の照合/忘れず、定期的に、継続することが重要です。

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まず、前回の復習です。
「違法なコピーがあるかどうか分からない」「ソフトウェア管理のために現状を把握したい」---こうした目的を実現するための「自主調査」の手順は、以下のとおりでした。
1.事前準備 手順さえ踏めば、自主調査は決して難しくありません。
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2.正規に購入取得した「ライセンス総数」の把握
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3.実際にインストールされている「ソフトウェア総数」の把握
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4.上記「ライセンス総数」と「ソフトウェア総数」の比較照合
皆さんの中には「ソフトウェアの調査は大変なのでは?」と思われている方もいらっしゃるかも知れません。 でも、実はこうした手順を踏めば、比較的容易に出来てしまうものなのです。

では、それぞれを詳しくご紹介しましょう。
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Part1_事前準備
調査目的を決定する。
自主調査の目的は、社内におけるソフトウェアの違法コピーの有無を確認することです。
調査方法によってはコンピュータのスペックなども併せて調査することもできますが、ここでご説明する自主調査
の目的は、あくまでも違法コピーの有無の確認とします。
調査対象を決定する。
調査対象には、以下の3つがあります。
1.コンピュータ
原則として「社内に存在するすべてのコンピュータ」が対象です。現在は使用していなくても、予備として保管
してあるコンピュータなどにソフトウェアがインストールされている場合があるからです。
ただし、外注先や個人が持ち込んだコンピュータのうち自社の保有するソフトウェアのライセンスを使用してい
ないものは除くことができます。
2.インストールされたソフトウェア なるほそ。モレがないようにしなくては!
コンピュータにインストールされている、すべてのソフトウェアが対象となります。
コンピュータを購入した時に既にインストールされていたソフトウェア(プリインストールソフトウェア)やプリンタ、デジタルカメラなどの周辺機器などに付属するソフトウェア(バンドルソフトウェア)、インターネットからダウンロードして使用するソフトウェア(シェアウェア、フリーウェア)も含みます。
3.保有するライセンス
インストールされているかどうかに関わらず、正規に購入取得したソフトウェアのライセンスが対象となります。
インストールされたソフトウェアと同様、プリインストールソフトウェアなどのライセンスも調査対象です。
調査方法を決定する。
調査方法には、以下の3つがあります。
1.調査担当者が実際に調査する。
拡大する「ソフトウェア利用調査票」
ソフトウェア利用調査票
調査するコンピュータの台数が少数(30台くらいまで)の場合に有効です。
調査担当者が一人で対象のコンピュータをすべて調査し、「ソフトウェア利用調査票」などに記入することになりますので、記入内容に差異は出ません。しかし、台数によっては時間がかかりすぎたり、担当者に大きな負担がかかることになりますので注意が必要です。
2.「ソフトウェア管理支援ツール」を利用して調査する。
調査するコンピュータの台数がとても多い場合に有効です。
「ソフトウェア管理支援ツール」とは、各コンピュータにインストールされているソフトウェアの情報を自動的に収集し、ソフトウェアごとに総数を集計することができるソフトウェアを指します。これを利用すれば、かなりの手間を軽減することができます。
3.「ソフトウェア利用調査票」を配布して調査する。
各コンピュータの使用者や複数の調査担当者に「ソフトウェア利用調査票」を配布して、インストールされているソフトウェアの情報を記入させる方法です。
コンピュータの台数に制限はありませんが、ソフトウェアの名称など記入内容に差異が出ないように注意が必要です。そのためには、記入方法に関する「手順書」などを作成する必要もあります。
ドクターSAM 「ソフトウェア利用調査票」「ソフトウェア管理支援ツール」などは、ダウンロードすることもできます。
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Part2_正規に購入取得したライセンス総数の把握
事前準備で決定された調査方法で、正規に購入取得したソフトウェアのライセンス数(ソフトウェアパッケージ、ソフトウェアプログラムの総数など)を調査します。
ライセンス総数の把握
具体的には以下のような方法があり、これらを組み合わせてライセンスの調査を行います。
1.自己保管記録の調査 社内に散らばっているライセンス関連s
「ライセンス証明書」「使用許諾契約書」その他の、名称を問わずライセンスを証明するための書類を調べます。なお「ライセンス証明書」「使用許諾契約書」などは「紙書類」として用意されているほか、パッケージの箱やマニュアルに直接記載されている場合もありますので、それらを確認することも必要です。
ソフトウェア購買の担当部署で、ソフトウェア購買記録が正しく保存されている場合は、購買記録を調べます。
ユーザ登録はがきやユーザ登録証をソフトウェア管理者の手元に集めます。
2.第三者保管記録の調査
ソフトウェアのユーザー登録状況について、各ソフトウェアメーカーに問い合わせて調べます。
各ソフトウェアメーカーへのお問い合わせは、こちらを参考にしてください。
http://www.bsa.or.jp/events/license/samsupport_050502_support.htm
ソフトウェアの納品状況について、納入業者へ問い合わせをします。
ライセンス管理台帳の作成
上記の方法でライセンス総数を調べた上で、「ライセンス管理台帳」を作成します。 新しいソフトウェアを購入した時などに、この「ライセンス管理台帳」を随時更新していくことで、各ソフトウェアのライセンス総数がいつでもわかる状態にしておくのです。

多くのソフトウェアの場合、同一名称の商品でもバージョンが違う場合は異なる製品とされていますので、 バージョンごとに集計・管理することが必要です。また、バージョンアップ版も正規版と取り扱いが異なるため、別途集計・管理する必要があります。
拡大する「ライセンス管理台帳」
ライセンス管理台帳
ライセンス総数変化・新規ライセンスの把握と更新
せっかく作成した「ライセンス管理台帳」も、ソフトウェアライセンス総数の変化にあわせ、常に更新しなければ意味はありません。そのためにも、新たにソフトウェアを導入したりバージョンアップした際には必ず、そこに添付されている「ライセンス証明書」や「使用許諾契約書」、パッケージの箱やマニュアルなどの正規ライセンスを証明するものをソフトウェア管理者の手元に集め保管し、「ライセンス管理台帳」に記載しましょう。
ドクターSAM 多くのソフトウェアメーカーは〜ですから、必ずユーザー登録することが重要です。
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Part3_実際にインストールされているソフトウェアの総数の把握
各コンピュータにインストールされているソフトウェアの調べ方
Windows XP、Mac OS8以降、Mac OS Xなど、OSごとに「スタート」メニューなどから調査票を作成することができます。特別なツールをインストールする必要はありません。

例:Windows XPでアプリケーション・ソフトウェアを確認する場合

図1 図2 *「スタートメュー」から「すべてのプログラム」にポインタを合わせ、インストールされているソフトウェアを表示させます (図1)

*「スタートメニュー」から「設定」→「コントロールパネル」を開き、「プログラムの追加と削除」を開き、アプリケーションの一覧を確認します
(図2)

*他のOSの場合や、詳しい手順は、ACCSのホームページ「ソフトウェア管理のすすめ」をご参照ください。
また各コンピュータにインストールされているソフトウェアの情報を自動的に収集する 「ソフトウェア管理支援ツール」も市販されています。
これらの詳細は、ACCSのホームページに掲載されており、ダウンロードすることもできます。 ドクターSAM
https://www2.accsjp.or.jp/ ̄sam/
インストール管理台帳の作成
すべてのコンピュータ(ノート型も含む)1台ごとに、現在インストールされている各ソフトウェアの総数を調べて、 「インストール管理台帳」を作成します。また、新しいソフトウェアをインストールした時に、この台帳を随時更新していくことで、常に最新の情報がわかる状態にしておきます。

「インストール管理台帳」には、会社から支給されたソフトウェアの他にも、 各従業員が持ち込んだソフトウェアやバンドル・プリインストールソフトウェア、フリーソフトウェアなども、例外なく記入することが重要です。
拡大する「インストール管理台帳」
インストール管理台帳
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Part4_「ライセンス総数」と「ソフトウェア総数」の照合
ソフトウェアのライセンス数や、インストールの状況は、調査した日から変化していきます。「ライセンス数」と「インストール状況」を定期的に調査し、両者の総数を照合する必要があります。そのために、次の二つの作業を行います。 なるほど!ウチの会社でもさっそくやってみよう。
1.実際にコンピュータにインストールされているソフトウェアを調査し、「インストール管理台帳」と照合する。
定期的に照合作業を行うことで、「インストール管理台帳」に記載漏れしていたソフトウェアを発見することができます。また、実際にコンピュータを調査することは、従業員の規範意識の向上にもつながります。この照合は反復継続して実施することに意味があります。大切なのは「忘れず」「定期的に」「継続する」ことなのです。
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ドクターSAM いかがでしたか?「自主調査」の詳細についてご理解いただけましたでしょうか。
詳しい情報は、こちらからどうぞ。
ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA):
http://www.bsa.or.jp/about/index.htm
ソフトウェア資産管理コンソーシアム: http://www.samconsortium.org/

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